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特別講演堀場厚氏日時:5月18日(月) 17:00-18:00
会場:第2展示場D (1F)

講演題目:
京都発の技術がなぜ世界に羽ばたけたか?~グローバルデファクトスタンダードへの道~

講演者:
堀場 厚 氏 (株式会社 堀場製作所 代表取締役会長兼社長)

講演概要:

 堀場製作所は分析機器の専門メーカーである。日本初のpHメーターで事業を興して自動車排ガス測定装置で成長発展した。その飛躍は、日本より先に米国のビッグスリーに排ガス測定システムを販売し、米国EPAに納入してデファクトスタンダードとなったことから始まった。以降、京都発の企業としてグローバル展開を推進し、フランス、ドイツの企業買収を経て現在では6000人近い社員を擁して1500億円を売り上げる企業になった。社是「おもしろおかしく」を「Joy & Fun」と訳して世界に展開し、60%を占める外国人社員もこれを理解して仕事をしている。事業のバランスと地域のバランスに留意しながらグローバルにビジネスを展開する当社の力の源泉は、故郷京都に対する誇りと、京都文化を背景にして築き上げた海外顧客との信頼関係にある。
 当社が製造販売する分析機器は多岐に渡るが近年では現場で使われることが多くなった。これに伴ってサンプルハンドリングなどの周辺機能が重要な品質要素となり、ロボティクス・メカトロニクスの比重がますます大きくなりつつある。自動車排ガス測定装置を見ても分析機器はトータルシステムのほんの一部で、運転ロボットをはじめとする周辺機器にはロボティクスは欠かせない。生産現場でも、自社で設計生産している回路基板の実装には高価だが高機能の自動機を導入している。このような設備はその根本がメカトロニクス技術である。このように多くの工業分野のインフラ技術となるロボティクス・メカトロニクスの発展には、アプリケーションを見据えた開発と同時にその根底を支える基本技術を深化する努力も忘れてはいけないのではないだろうか。